今日は第42回一関地方小学生女子ソフトボール大会に招待され、会場の岩手県一関市大東野球場に行って来ました。
宮城県では、我々気仙沼ホワイトタイガースを含め、小学生チームは5チームのみで、地区予選は無く、いきなり県大会が行われます。
しかし、県境を越え一歩岩手県に入ると、隣町の一関市だけでも20近いチームがある、ソフトボールが盛んな地域です。この数で予選を行うというのだから、全くもって別世界と言えます。
開会式の雰囲気も華やかで、これまで経験したことのない素晴らしいものでした。
打ち上げ花火を合図に選手達の入場行進が始まるのです!
前年度優勝チームの藤沢小学校を先頭にして、
各チームが堂々と行進して行きます。
気仙沼ホワイトタイガースは6番目の入場でした。気仙沼ホワイトタイガースが紹介されると、ひときわ大きな拍手が会場に沸き起こりました。
3月11日の震災直後のことが脳裏に浮かび、涙が溢れてきた。当時私は、子供たちがこんな晴れ舞台を入場行進することなど、想像すら出来なかった。
ホワイトタイガースの子供たちが、自分の前に
近づいた時、あわてて携帯のビデオを回しまし
たが、手が震え、上手く撮影できませんでした。
今日、この会場に来る事が出来なかった
お父さん、お母さん方に、子供達が堂々と
行進する姿をみてほしかったのですが・・。
残念です。
開会式が終了し、今度は花火の合図で、試合会場4面一斉に始球式が行われました。
これにも驚いた。
「身近にこんな世界があったとは!」同じソフトボールをやっているとは思えない、本当に別次元の世界でした。衝撃を受けました。
今大会の目標は「2試合中1試合は勝つ」です。
初戦は、昨年準優勝チームの川崎地区小学校でした(クジ運が悪かった・・・)。
試合前、監督・コーチとキャプテンらが、寄せ
書きしたボールとスポーツドリンクを持って挨拶に来てくれました。
これから戦う相手に対し、何と言う心遣いなのか。
さらに、ホワイトタイガースの林コーチ(32番)の同級生でもある、摺沢小学校の菊池ますみ監督が、バットスタンドをプレゼントということで届けてくれた。岩手の人たちの思いやりと、優しさがとてもうれしかった。
しかし、試合の方はそう甘くはいきません。
大きな大会に初めて参加する事で、子供たちは
気後れと極度の緊張で、何もかもちぐはぐ。
守備は乱れる一方で、終わってみれば17対0の惨敗でした。
練習通りにプレー出来れば、5対0位の内容で
したが、仕方ありません。
これもまた彼女らにとっては、貴重な経験と
なった事でしょう。
この試合の最中、他のチームの子供たちが、声を揃えてホワイトタイガースの応援をしてくれま
した。うれしい一場面です。
次の試合まではしばらく時間が空くので、子供たちにはゆっくさせました。まずは、100円募金すれば何杯でも食べられるという「かき氷」をみんなで食べ、その後、お弁当を広げました。
青空ときれいな空気の下、いやな匂いもハエも無く、最高のピクニック気分でした(被災地気仙沼では、まだまだ衛生状態が・・・)。
子供たちには、負けたことなど気にする様子も無く、バッタやカエルを追いかけて大騒ぎしてます。
監督から「次の大会には、網と虫カゴを持ってきた方がいいな」と一言アドバス(笑)
軽めの練習を挟むも、次の試合開始時間が遅れるというアナウンスがあり、またもかき氷タイム。子供たちにとっては、何とも楽しい大会となったようです。
さて、2試合目は、一関小学校Bチーム(スターレジェンド)との対戦です。
以前、練習試合で2対2で引分けたチームです。
予定の1時間遅れて、ホワイトタイガースの先攻で試合は始まりました。
1回表、レンちゃんのソロホームランで1点を
先制し、好調な滑り出しです。
3回表、ユウハちゃんの2塁打などで2点を追加し3対0でリードを広げました。
4回裏に3点返され、3対3の同点に追いつかれるも、今日の気仙沼ホワイトタイガースはここからがひと味違っていました。
6回表に、リコッペ・もりこ・コマッチャンの
3者連続の固め打ちで2点をもぎとり、5対3と
再びリード。
そして、迎えた最終回6回裏、スターレジェンドの攻撃です。
さすが一関のチームだけあり、粘り腰で、簡単には終わりません。1点を返し5対4の1点差。
なおもワンアウト2-3塁の大ピンチ。
一打サヨナラの場面です。
「あーまずい展開だ」と嫌なパターンが脳裏をかすめた瞬間、ピッチャー奏ちゃんが気迫のピッチングを披露してくれました!
次のバッターを見事三振に仕留め、最後のバッターもショートゴロに抑え、ゲームセット。
辛くも5対4で逃げ切り、震災後、大会初勝利を収めたのでした。
ベンチにいたメンバーも大きな声を出し、楽しそうに応援してました。
試合に勝つのは大変な事です。子供達は本当に良く頑張りました。
2試合目が始まる前に子供達と約束をしました。「明日の練習は、この試合に勝ったら休みで、
負けたら地獄の猛特訓だぞ!」と。
勿論、勝っても負けても明日は休みにしようと思っていましたが、この約束が効いたのか、子供
たちは踏ん張りました。
約束通り、明日の練習は休みとしました。今日は、子供も、そして応援に駆けつけた大人たちも
くたくたになって帰ってきました。でも、心地良い疲れです。
こんなにも素晴らしく、歴史のある大会に招待して頂き、子供たちにとっても心に残る良い思い出になったことでしょう。
関係した全てのみなさんへ「ありがとう!」
※今大会の結果はこちらをご覧下さい。