大会レポート その②

試合前の守備練習
試合前の守備練習

第18回みちのくコカ・コーラ旗小学生女子

ソフトボール大会2日目のレポートをご覧

ください。


起床予定時間の朝6時前から、子供たちは

ゴソゴソと動きだす。

「寒い~」と毛布にくるまって起きてくる

子たちもいました。

 

1週間程前までは残暑が厳しい日々が続いて

いたのに、外の澄み切った空気と下がった

気温からは、晩秋の装いさへ感じられます。

子供達に昨夜の様子を聞いてみると、

「8時半頃には、みんな布団に入ったよ」という。めんこいものです。

試合開始直前
試合開始直前

さて、朝の監督会議の結果、準決勝の対戦相手は

「古城ソフトボールスポーツ少年団(奥州市)」

に決まりました。

古城のエースピッチャーは、第42回一関地方

小学生女子ソフトボール大会で、快速球No.1

ピッチャーに選ばれた「飯坂投手」です。

そう簡単に打てる相手ではなく、かなり厳しい

戦いになると予想されました。

 

気仙沼ホワイトタイガースは、この試合に全てを

集中し戦うことを決めました。お父さんお母さん

の応援も、昨日より増えています。

 

子供達は年頃のせいか、親に対し家では「応援に来ないで~!」とは、言っているようですが、

やはりグランドに来て応援してもらうことが子供達にとっては、1番の励みになると思います!

エースの奏ちゃん
エースの奏ちゃん

気仙沼ホワイトタイガースは後攻で、1回の表、

子供達が守備に付くと、球審の右手が上がり

「プレーボール!」が宣告され、いよいよ試合

が始まりました。

 

奏ちゃんの第1球は「ストライク!」。

キャッチャーリコッペのミットに吸い込まれる

様にズバッと決まる、凄いキレのいいボールが

来ています。

 

1回表は「サードゴロ」「ピッチャーゴロ」

「ピッチャーゴロ」とあっさり三者凡退。

実に良い立ち上がりでスタートを切りました。

写真のバッターはもりこ
写真のバッターはもりこ

続く1回の裏のマウンドには古城のエース飯坂

投手が立ちました。

ホワイトタイガースの攻撃は、1番まどちゃんが

ピッチャーゴロ、2番レンちゃんは空振りの三振

3番ユウハちゃんセカンドゴロで、こちらも

あっさりと三者凡退でした。

 

一つの攻略ポイントだった「ピッチャーの立ち

上がりをたたく!」ですが、飯坂投手のスピード

ボールはとても速く、コントロールも良く、

やはり素晴らしいピッチャーでした。

 

これは緊迫した投手戦になると予感しました。

鉄壁の三遊間!ユウハちゃんとレンちゃん
鉄壁の三遊間!ユウハちゃんとレンちゃん

2回の表、先頭打者4番後藤に、初球をいきなり

センター横へ2ベースヒットを打たれ、ノー

アウト2塁のピンチを招きました。

 

続く5番小澤もセンターへ。

しかし、これはもりこが好捕し、センターフライ

とし1アウト。6番小野寺もセンター右に。

今度こそは抜けたかと思いきや、またまたもりこ

が好捕して2アウト。ランナーは、2アウト

2塁のまま。

続く7番本城をピッチャーゴロに抑え、何とか

ピンチをしのいだのでした。

バスター戦法のサワちゃん
バスター戦法のサワちゃん

このまま、良い流れに乗りたい気仙沼ホワイト

タイガースでしたが、2回の裏の攻撃は、

4番奏ちゃん・5番リコッペと連続の空振り

三振。

続くファインプレーをした6番もりこも、全く

手が出ず、見送り三振でスリーアウトチェンジ。

 

3回表、8番眞尾がファーストへの内安打で

出塁するも、ピッチャー奏ちゃんは、後続を

「ピッチャーゴロ」「ピッチャーゴロ」

「サードゴロ」に料理し、この回も0点に

抑えました。

 

3回の裏、ホワイトタイガースも今度こそ何とかしたいところですが、7番サワちゃん・

8番コマチャン・9番カッチャンと3者連続三振で全く歯が立たない。

 

バスターやバントなども試してみましたが、どうにもこうにもバットに当てることが出来ない

のですから、手の打ちようがありません。

キャッチャーリコッペ
キャッチャーリコッペ

 

4回表、古城ソフトボールスポーツ少年団の

攻撃も、奏ちゃんも負けずに踏ん張り、

「ショートゴロ」「ピッチャーゴロ」に抑え

2アウト。

5番小澤がファーストのエラーで出塁するも

盗塁をキャッチャーリッコペが阻止し、

0点に抑えました。

 

奏ちゃんも、負けてはいないピッチングです。

バットを短く持つユウハちゃん
バットを短く持つユウハちゃん

 

4回裏、打順も1順したので、バットを短く

持ってコツンと当てていく戦法にでましたが

まどちゃん三振、蓮ちゃんピッチャーゴロ、

ユウハちゃん三振でチェンジ。

 

いろいろ仕掛けてはみるのですが、とにかく

バットに当てるのが精一杯です。

 

やはり、1点をが重要な意味を持ってきます。

 

 

「点数とるぞ~」「おぉ~!」
「点数とるぞ~」「おぉ~!」

 

試合は緊迫したままトントンと進み、0対0の

まま5回に突入しました。

 

5回表もピッチャー奏ちゃんは踏ん張りますが、

ツーアウト3塁のピンチを迎えました。

 

あと1人を何とかアウトにすれば、とりあえず

負けはなくなり、最終回の攻撃を残すのみと

なります。

 

お母さん応援団
お母さん応援団

バッターは9番吉田。

ワンボール・ツーストライクからの4球目を

バッターは空振りの三振。

ボールが、ワンバウンドしてしまったので

バッターにタッチする必要があります。

その時、キャッチャーリコッぺは、そのまま

ピッチャーに返球したので、バッターは1塁に

走り出します。いわゆる「振り逃げ」です。

 

それを見てピッチャー奏ちゃんは慌てて、

1塁へ送球したのですが、これが悪送球に

なり、3塁走者が生還して、ついに均衡が

破れてしまいました。

なおもツーアウト2塁です。

緊迫した試合ほど、緊張の糸が途切れた瞬間が怖く、この試合はまさにその典型となってしまい

ました。あと1アウトでチェンジですが、その1アウトを取るのがとても遠く、実に難し事に

なってしまうのです。

ここから、がたがたと崩れ、終わってみるとこの回だけで6点を失いました。


最終回、ホワイトタイガースの攻撃は、やっと2人のランナーを出すも無得点で試合終了。

善戦むなしく6対0で敗れてしまいました。

対古城戦、よく頑張りました
対古城戦、よく頑張りました

最後は、悔やまれるところもありましたが、

試合内容は強豪チームを相手に、本当に良く

ここまで戦ったと思います。

 

試合には負けてしまいましたが、6年生最後の

試合で、こんな緊迫した息を呑む戦いを経験

できた事は、彼女達の今後に大きな財産となる

のではないでしょうか。

 

そういう意味では、納得のいく戦いだったと

私は思います。

期待のちびっこ軍団
期待のちびっこ軍団

チームがひとつになって、試合に出た子も

出ない子も、最後まで諦めることなく大きな

声を出し、頑張りました。

 

応援に来てくれたお父さん、お母さんには、

この戦いはどう映ったでしょうか?

 

震災直後のチーム状況を知る人なら、今日の

戦いに子供達の成長を感じることが出来た

ことでしょう!

負けはしましたが、全力は出し切った充実感

と生き生きとした子供達の表情は、微笑ましく

もあり、実にたくましく見えました。

 

まだ3位決定戦があるのですが、全ての力を出し切ってしまった感じです。

まどちゃん
まどちゃん

 

3位決定戦は、昨日も対戦しました

「西南スポーツ少年団」との戦いでしたが、

惜しくも14対4で敗れてしまいました。

 

こうして、子供たちが精一杯プレーし思い

出に残る試合が出来た大会は、終わりを

告げたのでした。

 

閉会式前には、現在「西南中学校3年生」で、全日本中学生チーム候補に選ばれている

ピッチャーのピッチングのデモンストレーションがあったり、参加した小学校1・2年生

全員に賞品が配られたりと、花巻地域の方々みなさんがこの大会を盛り上げてくれて

います。

 

勝ち負けだけではなく、ソフトボールを心から楽しめるような雰囲気を作り上げてる、

本当に素晴らしい大会でした。

 

閉会式が終り東の空を見上げると、きれいな虹がくっきりと見えていました。

それはまるで、一生懸命プレーした子供達を祝福しているかのようでした。

優秀選手賞 奏ちゃん
優秀選手賞 奏ちゃん

 

    第18回みちのくコカ・コーラ旗小学生女子ソフトボール大会結果発表


      優 勝:東和クリエイターズ      (花巻市)

      準優勝:古城ソフトボールスポーツ少年団(奥州市)

      第3位:西南スポーツ少年団      (花巻市)

      第4位:気仙沼ホワイトタイガース   (気仙沼市)

 

      ☆個人賞:気仙沼ホワイトタイガースからは

           優秀選手賞 奏ちゃん  

           敢 闘 賞 リコッペ

 

       「素晴らしい大会にご招待頂き、本当にありがとうございました。」