大阪への夢の行方は如何に・・・・

今日の天気は大丈夫そうでした。

中学生チームは、朝6時に鹿折復興マルシェに

集合して、仙台の蒲町中学校到着を目指して

出発しました。
三陸自動車道を経由したので、予定通り8時

30分には到着できました。テントを張り

荷物を置き、練習を開始しました。

子供達の練習のする姿を見ながら、

「今日が最後になるのかな?」

「或いは優勝して、もう1ヶ月一緒に練習

できるのかな?」などと、ぼんやりと考え

たりしました。

バッティングと守備をひと通りの練習をした後

円陣を組み、みんなに一言話をしました。

「震災後、新城沖公園で練習を再開して以来

宇津木杯、長澤キャンプと色々有りましたが、

今日はいよいよ我々が目指してきた最後の

大会です。

これまでやってきたことを全て出しきり、

絶対に最後まで諦めずに悔いのない戦いを

しましょう!」。
まもなく第1試合のNSC(名取市)対

KSC(涌谷町)の試合が始まります。

 

2年連続優勝のNSCが勝つのかなと思っていたら、8対7の接戦でKSCが勝利を

収めました。

さて、第2試合は、気仙沼ホワイトタイガース対大河原クラブ(大河原町)でした。

試合前、子供達だけで何やらミーティングをしていたようでした。
ベンチ入りすると、子供達は「大槻さん、3つの約束事を決めました。何だと思いますか?」

「何?言ってみて」

「1.声を出し、最後まであきらめない。 

 2.攻守交代は全力疾走をする。

 3.みんなでハゲまし合う。」と言って、私をからかって喜んでいる。

 

「緊張するぅ~」と言いながらも、みんなに笑顔が溢れていたので大丈夫でしょう!

試合が始まり、1回の表ホワイトタイガースは、いきなり12点も先取しました。

その後も得点を重ね、4回表を終わって「26対0」でした。最終回の守りも「ゼロ」で

締めくくろうと思って、再出場で全員3年生に戻しました。

しかし、2番手のアカネさんが乱調で、8点も取られてしまいました。

結局26対8で初戦は突破しました。

 

第3試合を観ながら昼食をとります。黒川SBCが圧倒的な破壊力の打撃で「14対1」の

大差でKSCを打ち負かしました。次の対戦相手は、かなり手ごわいようです。

 

いよいよ、勝っても負けても最後の試合。大阪行きをかけた決勝戦が始まります。

第1試合と同じ、林コーチと考えた先発メンバーで臨むことにしました。

 

「1番:サード・アカネ    2番:ファースト・メイ 3番:ピッチャー・リナ

 4番:キャッチャー・アイカ 5番:センター・アヤカ 6番:レフト・アカリ、 

 7番:ショート・マイ    8番:セカンド・ハルカ 9番:ライト・ミナ

 控え:2年生・アリサ・マイコ・ナツミ・カスミ 1年生・マドカ・マオ、

(欠席:ハンナ)」 以上のオーダーです。

先攻のホワイトタイガースは、1回の表の

攻撃で、1アウト後、2番メイと3番リナが

連続フォアボールで出塁し、1アウト

1・2塁のチャンスです。

4番アイカは、ショートフライで2アウト

1・2塁。

続く5番アヤカのあたりは、ファーストの

エラーを誘い1点を先取しました。

 

1回裏、黒川クラブの攻撃は、トップバッタ―

にいきなりレフトオーバーのホームランを

打たれ1対1の同点とされました。

「ひぇ~」である。私は、子供達の気持ちを落ち着かせようと思い、すかさずタイムを取り

ました。しかし、続く2番バッターにもライト前ヒットを打たれ、嫌な感じでしたが、その後、

ライトミナのファインプレーもあり、1点で切り抜け、1回を終了しました。

 

2回表、7番マイが四球で出塁するも、キャッチャーからの牽制でタッチアウト。後続も凡退し0点に終わりました。

2回裏の黒川クラブの攻撃は、3本のヒットで2点を返され、2回を終わったところで、3対1と逆転されました。黒川クラブは、下位打線もみんな4番バッターのような打者でした。
3回の表のホワイトタイガースの攻撃は、4番アイカのレフト前ヒットなどで、1点を

返し3対2と追い上げました。

 

しかし、3回裏、泥沼の1回となってしまいました。3番、4番をサードゴロ、ライト

フライに抑え、簡単に2アウトまで取りましたが、ここからが、いけません。

5番にファーボールを与えてしまいます。結果論ですが、ここでタイムを取るべきだった

かな?

続く6番から、内安打も含め連続6安打で、6点を失い「9対2」とされてしまいました。

 

その後は、お互いに点が入らず、9対2のまま試合終了。

 

大阪の夢は、ついに途絶えてしまいました。

しかし、不思議です。なぜか私は、平常心でいられました。

 

普通だったら負けた瞬間に脱力感に襲われ、どっと疲れが出るはずなのに。

今回は何故かそれがない。当然勝ちたかったのですが、ひとつのことが終わったという

達成感というか、清々しささえ感じました。

まったく疲れたという感覚にはなりませんでした。準優勝と言う結果ではありますが、

閉会式を終り「がんばれ!気仙沼ホワイトタイガース」の横断幕を持って、みんなで

記念写真を撮ることにした。お父さん、お母さん方もたくさん応援に来て頂いたので、

みなさんに入ってもらい写真を撮りました。

泣く子は、一人もおらず、子供達は、笑顔で声を合わせて叫びました!

「せぇ~の、ハ~ゲェ!」「カシャ!」屈託のない笑顔です。

 

長澤キャンプの時「なんでもいいから、日本一のチームを目指してほしい」と言われ

ましたが、気仙沼ホワイトタイガースは、「笑顔が日本一のチーム」かな?

 

震災後、バイクで避難所を回り、子供達の全員の無事を確認し、新城沖公園で練習を

再開しました。

多くの子供達が被災し、活動場所もなく、今後どうなってしまうのだろう?と先の見え

ない状況でした。

そんな中、多くの仲間やたくさんの方々からの支援や激励によって勇気づけられ、

「大変な思いをした子供達に、少しでもいい思いをさせてあげたい。」

そんな気持ちで活動してきました。

 

残念ながら、大阪行きは叶いませんでしたが、子供達と一緒に大阪を目指して練習して

きた日々は、私にとって忘れることの出来ない大切な記憶として残ることでしょう!

きっと、お天道様は見ていてくれたのでしょう。

子供達が一生懸命頑張ったから、見えない力が働いて、宇津木妙子杯ソフトボール大会の

実現や、長澤キャンプに招待されることになったのでしょう。私はそう信じています。

 

みなさん本当にありがとうございました。これからも、皆様方のご協力・激励をよろしく

お願い致します。

 

まだまだ続くぞ!「がんばれ!気仙沼ホワイトタイガース!」