本日より、気仙沼ホワイトタイガースと、気仙沼小学校野球部の合同練習を再開しました。
私は震災前、水曜日については気仙沼ホワイトタイガースと気仙沼小野球部の練習を一緒に
みていました。
しかし、震災後は使用出来るグラウンドのスペースが少なくなった事などにより、ソフトと
野球が一緒に練習することが難しくなり、ソフトボールの練習だけをみていたのでした。
最近では状況が好転し、気仙沼小学校のグラウンドはわりと自由に使えるようになってきた
事と、震災以来、大会や試合の機会が大幅に減った野球部にとって、ソフト部との練習は
いろいろな刺激やメリットがあるので、合同練習を再開したのでした。
でも「野球とソフトボールを一体どうやって一緒に練習するのだろう?」とか、
「それは、大変じゃない?」とか思う方もいらっしゃると思います。
大丈夫です!青年海外協力隊のソフトボール指導隊員として、ソフトボール後進国で
指導してきた経験からすれば、これは大した問題でもなければ、何ら大変でもありません。
ちょっと工夫すれば良いだけのことなのです。
インドネシアの田舎で指導した時などでは、
グローブなどの用具が1チーム分しかないのに
集まってくる生徒は100名位も来たりして、
まさに「まいったなぁ~!」って感じです。
また、集合時間は1時間遅れが当たり前で、しかもグラウンドは石だらけのありさまです。
さらに、ネット裏にはニワトリが駆け回っていたり、外野では牛が草を食べていたり、
自転車タクシー(ベチャと言う名の三輪自転車)が平気でグラウンドを横切ったり、
凧あげをする子供が来りと、グラウンドと言う名の空き地であり、日本ではとても考え
られない状況の中でソフトボールを指導してきましたので、いろいろ工夫することを
身につけました。
さて、今日行った練習を、簡単にご紹介しましょう。2時間程度の内容なので、とりあえず
体を動かし楽しむ程度が基本となります。
グラウンドには、同じダイヤモンドにソフトボール用と野球用のベースを置きます。ここで
ポイントは、図示しないと分かりづらいかと思いますが、野球のダイヤモンドの方がソフト
より大きい点です。ホームベースから1塁ベースまでの距離は、野球の方が遠いことを覚えて
おいて下さい。
ボールは、基本的には野球部の子どもは野球のボールを使用し、ホワイトタイガースの子ども
(ソフト部)は、ソフトボールを使用します。
さて、練習を開始しました。まずは、野球部が2列に並び、そのあとにソフト部員が2列に
続き、ランニングを行いました。
次に、一つの円になり準備体操をした後、5人づつ並んでダッシュです。熱中症に注意
しながら水分補給して、キャッチボール、トスバッティングと練習をこなして行きます。
合同練習のメリットを出すべく、引き続きランナー付きノックを行いました。
まずソフト部が守備に付き、野球部がランナーに出ます。ベースとボールは、ソフトボール用
を使います。この練習の利点は、足の速い野球部のランナーをけん制しての守備練習になり
ますので、ソフト部にとってはレベルの高いチームを想定した練習が出来ます。
ソフトの練習が終わると交代して、野球部が守備に付き、ソフト部がランナーとなります。
ベースとボールは、野球用を使います。ここで、ソフト部は女子とは言え、あなどれません。
なぜなら、冬場雪で屋内練習を強いられる期間は、徹底的にダッシュを鍛えますので、俊敏性
は折り紙付きで、野球部に引けをとりません。
その後はベースランニング。
野球部は野球用、ソフト部はソフト用のベースを使って走ります。
今回のベースランはダイヤモンドを1周するのでは無く、ホーム→1塁 全員集まるまで
待つ 1塁→2塁 全員集まるまで待つ 2塁→ホームの順に走ります。
ホームから1塁への駆け抜けは、同一ラインを走るので、ぶつかる危険性があるので、まずは
野球部・ソフト部の順番で別々に走らせます。
次に、1塁から2塁、2塁からホームなどは、同時に着く位のタイミングになるように
野球部の子1名とソフト部の子1名を一緒に走らせます。
各自の足の速さと、塁間の距離の差(野球の塁間の方が長い)を計算しながら、お互いの
ライバル意識が働き易いような組合せで行いますので、みんな真剣に走る訳です。
ベースランの最後は、野球部とソフト部に分かれてソフト用ベースを使い、リーレー対決を
しました。競争となると、どちらも負けたくないので、真剣そのものです。
見ていて本当に楽しいです。
ソフトチームと野球チームは総合的には力が拮抗していて(最近の練習量の差)、今日は
野球部が勝ちましたが、ちょっとの差でした。
最後は、全員で軽めのランニングをし、整理体操をして終了となりました。
合同練習はだいたいこんな感じです。
個人的にはソフトボールの指導に打ち込みたい気持ちもありますが、どちらも楽しそうに
練習している姿を見ますと、子供たちへのスポーツ育成の観点からは、合同練習を行う
意義は大きいと思います。